東京タワー

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

今さらですが読みました。
たしか映画やテレビや小説で一度も泣いたことがないボク(自分調べ)にとって、生まれて初めて泣いた記念すべき作品になった…。3カ所で泣いた。自分こんな泣き方するんだなってちょっと新鮮だった。
小倉・若松・方南町・笹塚など、多くの個人的に身近な地名で綴られてくリリー・フランキーの半生。の割には、ほとんど自分に置き換える事はなかったな。自分との違いはもちろん、「オカンの違い」だなと読んでいて気付いた。あの涙はすべてリリー・フランキーのオカンに対しての涙だった。

もちろん、普段考えないようにしている、家族との関係を思い出させるきっかけにはなった。そこは、「泣ける」みたいなのとは全然違って、単に気が重いというか胸が痛い…。
そしてさらに胸が痛くなるのが、自分が「オカン」と同年代になったときの事を考たとき。「そこに家族はあるのか」「生活はできるのか」「何が楽しいのか」「何ができるのか」「何かしてもらえるのか」…。

全部ひっくるめて、ボクにとって今と未来を現実的に見直すきっかけになった一家族の軌跡。